ここは、このモーツァルトの像と赤いベコニアのト音記号で有名なブルグ公園。先生は、やはり音大を退いたピアノの先生お二人とご一緒にいらした。
しばらく前にピアノの恩師が、ウィーンを訪れた。
私が中学から音大を卒業した後までレッスンへ通った先生で、それはそれは懐かしく、嬉しい再会になった。
先生から「ウィーンを訪れる」とお便りがあり、私がウィーンを少しご案内することになったのだが、
「先生、何が見たいですか」とお尋ねすると、
「私、去年、音大を退職したので、もう、普通のオバサンだから、分かる? ミーハーだから」と仰る。
で、ミーハーだから、どんな物がご覧になりたいのかと言えば、
「中央墓地」「ベートーヴェンのハイリゲンシュタットの遺書の家」その他にもシューベルトやモーツァルトやハイドン、マーラー、ブルックナー等の縁の場所とのこと。先生は、やっぱり音楽家のことばっかりで、美術館のビの字も、ホイリゲのホの字も出てこない。
ウィーン滞在は、5日間であった。
この日数で、上記した作曲家の縁の地を全部訪ねて歩くのは無理だ。
ウィーン・フィルと国立オペラのチケットもすでに予約されていたし....。
で、いくつか的を絞ってもらった。
モーツァルトの「フィガロハウス」、「中央墓地」、「ハイリゲンシュタット」は、クラシック音楽好きが、やはりよく訪れるところであろう。シューベルトの亡くなった、彼のお兄さんのアパートが、うちから徒歩5分くらいのところにある。因にその斜向いは、エーリッヒ・クライバー(カルロスのお父さん)の生家だ。このシューベルトの亡くなった家も博物館に指定され、一般に公開されているので、こちらへもご案内した。
「フィガロハウス」は、何年かまえにリニュアールされたが、他の場所は、私が、もうン十年も前に何度か行ったことがあるところばかりだ。でも、今回、今まで入ったことがなかった、しかも一般に公開されていない、しかし、キチンと公認されている博物館へ入ることが出来た。
<つづく>