お城とプリンセスとプリンス? 夫曰く、16歳でこれって幼いなぁ〜
娘には、日本語の友達とドイツ語の友達がいる。誰でもそうかもしれないけれど、特別に気の合う仲というのは、そう沢山はないようだ。ギムナジウムに入った年に知り合ったFとは、非常にウマが合うようで、彼女が、上級学年(5年生)になる時に転校してしまった後も付き合いは続いている。
Fは、精悍な顔立ちの美人で、娘の腰の高さまでの長い足を持ち、小さな顔で完全な8頭身スタイルである。勉強も授業中に習っただけで、他に何もしなくてもオール1(5段階評価で1が最良)であった。
Fの母親は、シングルマザーで4人の子持ちで(Fが一番上)、特に働いている様子はなく、どうやって食べているのだろう、と不思議に思うのだが、生活は、勿論うちと同様に貧乏そうだ。こういう部分も「気が合う」元ではなかったかと思う。
9月にギムナジウムの1年生になり、そこで知り合い、11月のFの11歳の誕生日に招待されたが、それが、午後5時から10時までの誕生日会だった。うちの常識とは、かけ離れた感があった。この時は、娘と話して8時に迎えに行った。
「Das geht nicht !」(ダス・ゲート・ニヒト )
そんなのダメよ!って、Fの母親に言われたけれど、それは、こっちのセリフであった。娘とも事前に話してあるし、Fにも娘から伝えてあるし、ということで
その時は、取りあえず納得してもらって、8時に引き取った。
プリンセスの腕が、取れてる。くっ付くのかな?
ギムナジウムの1~2年生の頃は、学校の時間割の都合でFともう一人Kという子が、毎週決まった曜日に昼食をうちで摂った。Kのうちへ娘とFが寄せてもらう日もあったし(Kの家とうちは、学校から徒歩5分くらいなのだ)、それは勿論構わないのだが、どうもFは、ろくに私達に「こんにちは」「さようなら」といった簡単な挨拶もしないし、料理した夫に「ありがとう」もないのだ。
今でもそうだが、こういう子は、他にもいる。キチンと挨拶をする子の方が少ないかもしれない。娘には、他所のお宅へ上がった時には、そこの親御さんたちへ挨拶をするよう、そういう躾をしてきたけれど、娘曰く、伺ったお宅で親御さんがいても顔を出さない場合も多く、結果挨拶せずじまいだ、とか。
こんな具合だから、私は、娘のドイツ語の友人達から「うるさい、変な母親」として疎まれているらしい。
疎まれて悲しいのは、私ではなくて娘の方で、この件に関して娘と私は、口論することもある。娘には、小さい頃から「もっと優しいお母さんが良かった」と言われてきたが、娘に泣かれようが、私としては、ここは譲れない。
いつ頃だったか、どういう事の成り行きだったか、とうとう娘はFに、両親に挨拶をしてくれ、と言ったらしい。それまで、私達が帰り際に玄関まで見送って「さようなら」を言っても、何も言わずに帰ってしまっていたFが、「こんにちは」「さようなら」と握手をするようになった。
やっぱり色塗った方が良いよね。
Fは、あんなに勉強ができるのに、
わざわざ勉強のあまり出来ない子達が集まっている、美術が週に20時間ある学校へ5年生から転校した。
昨日、Fがうちへ久しぶりにやってきて、娘とずっと粘土遊びをしながら、色々話をしていった。娘よ、気の合う友達は、お金では買えない人生の宝物だから、ずっと大事に付き合って行けたらいいね。
マダムKenwan