この作品のジークレー版画はアートショップKENWANでお求めになれます。
初めてうちを訪れるような方で絵に興味のある方は、賢一の絵を熱心にご覧くださって色々お話しするような事になる。
よく言われるのは「写真みたい」「触れそう」など、物が非常にリアルに描かれている事への賛美の言葉だ。「細かいですね〜」もよく聞く。絵を描いている本人にとっては「写真みたい」と言われるのは実は嫌みたいだ。最近は慣れっこになっているようだが,若い頃確かに「嫌だ」と言ったのを聞いた覚えがある。賢一にしてみれば「写真みたい」ならば写真で撮ればいいじゃないか、「写真よりもいい」つもりで描いているのだ。(この場合の写真とは所謂芸術写真を指してはいない)
絵に関しては、自信家である。
そして、次に尋ねられるのは、この細かい絵を一体どのくらいの期間で描き上げるのか、という質問である。「さあ、どのくらいかかると思われますか?」 一ヶ月、二三ヶ月、一年とか言われた事もあった。写真のような3号の小さい絵で一週間、12号くらいの大きさなら二週間くらいだ。大抵の方は、そんなに早いのかと驚かれる。実は、これでは描く枚数が少なすぎて、もっと沢山描いてくれと言われるようなテンポなのだが..... 機械じゃないので、難しい。また、量を増やして質を落とすようでは仕様がない。
賢一がこだわっているものの中に「光」がある。
彼は、今までずっと太陽光だけで描いてきた。
人工の明かりは、決して使わない。
これまた当然の事だが、光のないところでは物は見えない。
光が当たってこそ、物は見えるのだ。
そして、物は,自然の光の中で一番美しく見えると画家は確信している。
マダムKenwan